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増補・合本 名句の美学



西郷竹彦/著
一千万俳句愛好家、国語教師、研究者の必読の書。
定価:本体5800円+税
四六判・上製/514頁
発刊日 2010年7月10日
ISBN番号 ISBN978-4-654-07616-1

古典から現代の俳句まで、問題の名句・難句を俎上に、今日まで誰も解けなかった美の構造を解明―その胸のすく解釈は、読者を虜にせずにはおかないであろう。
本書は長らく品切れの名著『名句の美学』を上・下合本し、「補説『美の弁証法的構造』仮説の基盤」を増補したものです。

こんな方にオススメ
・全国一千万の俳句愛好家。
・国語教師、俳句研究者の方。
目 次
【上巻】
序章 俳句の美とは何か
 ・風味・醍醐味ということ
 ・虚構とは
   しづかさや湖水の底の雲のみね  一茶
 ・仮面の文芸―ひねりの美学/他
第1章 俳句は一人称の文芸か
 ・〈内ノ目〉〈外の目〉―共体験のドラマ
   いなびかり北よりすれば北を見る  橋本多佳子
 ・見る我と見られる我
   うしろすがたのしぐれてゆくか  種田山頭火/他
第2章 虚構としての俳句
 ・風雅なものの卑俗化によって
 ・卑俗・卑小・卑近なるものの超俗化
   黄金虫擲つ闇の深さかな  高浜虚子
   倒れたる案山子の顔の上に天   西東三鬼/他
 ・日常の非日常化
   菜の花や月は東に日は西に  蕪村
   鶏頭の十四五本もありぬべし  正岡子規/他
第3章 矛盾の発見・止揚
 うつくしや障子の穴の天の川  一茶
 やはらかに金魚は網にさからひぬ  中村汀女/他
【下巻】
第1章 かけことば的な声喩

 鳥わたるこきこきこきと罐切れば  秋元不死男
 ほろほろ酔うて木の葉ふる  種田山頭火
 地車のとゞろとひゞく牡丹かな  蕪村/他
第2章 一語のはらむもの
 金剛の露ひとつぶや石の上  川端茅舎
 玉蟲の羽のみどりは推古より  山口青邨
 冬の水一枝の影も欺かず  中村草田男/他
第3章 季語の可能性、創造性
 古郷やよるも障るも茨の花  一茶
 あをあをと空を残して蝶分れ  大野林火
 一月の川一月の谷の中  飯田龍太/他
対談 俳句の美をめぐって 坪内稔典/西郷竹彦
 ・季語は一句独自の世界へ入る窓口
 ・俳句と遊び
 ・行きて帰る心の味
 ・名句とは「花も実もある」句をいう
 ・まだまだ発見の余地はある/他
補説「美の弁証法的構造」仮説の基盤―虚構としての文芸の変幻自在に相変移する入子型重層構造
著者紹介
西郷竹彦
1920年鹿児島県生まれ。
文芸学・文芸教育専攻。元鹿児島短期大学教授。文芸教育研究協議会会長。総合人間学会理事。
その他の関連書籍(黎明書房刊)
宮沢賢治「二相ゆらぎ」の世界
増補 宮沢賢治「やまなし」の世界
『名句の美学<上>』(下巻は品切れ)
『文芸研の総合学習(理論編)』
『文芸研の総合学習(実践編)』/他

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